2016年8月1日

聴き手を妖しげな地下の一室へと導くビートの連なり ~matisse for clsscs By clsscs~


外の開けた世界から完全にそっぽを向いて、暗い地下の一室に続く階段を降りて行った先の小さな部屋の中に漂う密室感……。この作品にあるのはそんな感覚? リミックス集みたいなものなのか、DJミックスなのか、何なのかよく分からない、アメリカのビートメイカーであるclsscsの作品です。

音楽としては古めかしいブルースと色気のあるジャズ、そして艶かしいソウルを混ぜ合わせて、ヒップホップに注ぎ込んだ……といった感じでしょうか。あくまでも今日的なインストゥルメンタル・ヒップホップ、ブレイクビーツを展開しつつ、古き良きアメリカの大衆音楽のテイストを全体にうっすらと散りばめています。

そしてゆったりとたゆたい、妖しく揺らめく音の連なりが、古い家の地下室に導くかのよう。心地よくまったりと酔わせてくれます。



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